はかせ、IP、ゲートウェイ、DNSって似た言葉が並んでいるけど、何が違うの?
この記事が扱うのは、端末に表示されたIPアドレス、サブネット、デフォルトゲートウェイ、DNSを読み、通信が止まった段階を絞ることじゃ。特定のDNSエラーを直す手順、NATタイプ、機器の役割そのものは隣接記事へ任せるぞ。値を見ただけで故障を断定せず、同じネットワークで正常な端末と比べるのじゃ。
先に結論
はかせ、まずは何を確かめればいい?
見る順番は「使用中の接続」「IPとサブネット」「デフォルトゲートウェイ」「DNS」じゃ。IPがなければ端末とIP配布、ゲートウェイへ届かなければ家庭内LAN、ゲートウェイより先だけ失敗すればルーター・回線、名前だけ引けなければDNSを優先するぞ。
IPアドレスはネットワーク上のインターフェースを識別する値、サブネットマスクやプレフィックス長は同じネットワークの範囲、デフォルトゲートウェイは範囲外へ送るときの次の中継先、DNSはドメイン名に対応する情報を問い合わせる仕組みなんじゃ。DHCPは、対応するネットワークでIP設定を自動配布する仕組みじゃぞ。
| 問題の端末で見えた結果 | 正常端末との比較 | 優先する確認先 |
|---|---|---|
IPアドレスが空欄、0.0.0.0、または未取得と表示 |
正常端末にはIPがある | Wi-Fi・有線接続、DHCP、自動取得設定 |
IPv4が169.254.x.xでゲートウェイがなく、正常端末は別の範囲 |
正常端末だけ家庭内向けIPv4を取得 | DHCPへ届かない、固定設定、ケーブル・SSID |
| IPはあるがゲートウェイが空欄・正常端末と不整合 | 正常端末には到達可能なゲートウェイがある | DHCP情報、手動設定、別ネットワークへの接続 |
| IPとゲートウェイは正常端末と同じ構成だが、全サイト・アプリが失敗 | 両端末の結果が異なる | 端末のVPN・プロキシ・セキュリティ設定 |
| IPとゲートウェイは使え、ドメイン名だけ解決できない | 正常端末とはDNSだけ異なる | DNS設定、DNS応答、VPN・フィルター |
| 1サイト・1アプリだけ失敗 | 接続情報は正常端末と同等 | サービス障害やアプリ固有。IP設定は変更しない |
| Wi-Fi、有線、VPNなど複数の欄に値がある | 使用中の接続以外も表示 | まず実際に通信中のアダプターを特定 |
家中の複数端末が使えないならWi-Fi接続済みでもネットを使えない場合、1台だけならほかの端末は使える場合の確認へ進むのじゃ。接続情報は原因そのものではなく、次に調べる区間を選ぶ手がかりなんじゃぞ。
考えられる主な原因
なるほど。どうしてこんなことが起きるの?
値が空欄、見慣れない、正常端末と違うときも、ただちに異常とは限らんぞ。IPv4とIPv6、Wi-Fiと有線、VPNの仮想アダプターでは別の値を持つから、使用中の接続と比較条件をそろえるのじゃ。
- 端末がWi-Fiや有線LANへ接続できていない
- DHCPサーバーへ届かず、IP設定を受け取れていない
- 手動IP・サブネット・ゲートウェイが現在のLANと合わない
- 同じIPアドレスを複数端末が使い競合している
- デフォルトゲートウェイへの経路がない、またはルーターが停止
- DNSが未設定、応答しない、VPNやフィルターで置き換わっている
- 使用していないアダプターや古いVPNの値を見ている
- IPv4とIPv6の一方だけで通信経路が成立している
IPアドレスだけでは正常か判断できません
IPアドレスは端末そのものに永久固定された番号ではなく、接続ごとのインターフェースへ割り当てられます。Wi-Fi、有線、VPNで複数のアドレスを持つことがあり、DHCPでは再接続後に変わる場合があります。
RFC 1918で定められたIPv4のプライベート範囲は、10.0.0.0/8、172.16.0.0/12、192.168.0.0/16です。172で始まるすべてがプライベートではなく、アドレスがこの範囲にあるだけでインターネット接続まで正常とも判断できません。
サブネット情報が「同じ範囲」を決めます
サブネットマスクまたはプレフィックス長は、IPアドレスのどこまでがネットワーク部分かを示します。「先頭3組が同じなら同じネットワーク」という見方は構成によって誤るため、IPとサブネットを組み合わせて判断します。
家庭で計算が難しい場合は、問題端末と正常端末のIP、サブネット、ゲートウェイを並べ、機器メーカーや管理者へ渡してください。会社・学校のVLAN、ゲストWi-Fi、端末分離では、同じSSIDに見えても通信範囲が制限される場合があります。
デフォルトゲートウェイは外へ出る次の中継先です
端末は同じネットワーク内にない宛先への通信を、通常はデフォルトゲートウェイへ渡します。家庭用IPv4ではルーターのLAN側アドレスが表示されることが多いものの、特定の数字を全家庭共通の正解にはできません。
ゲートウェイが空欄でもローカル通信だけを目的とする構成はあり、IPv6では表示や経路の学習方法がIPv4と異なります。家庭の一般的な接続で正常端末には値があり、問題端末だけ欠けるという比較結果を重視します。
DNSは名前から通信先情報を探します
DNSは、利用者が入力したドメイン名に対応するIPアドレスなどの情報を問い合わせる分散システムです。RFC 1034は、DNSの名前空間、リゾルバー、ネームサーバー、問い合わせと応答の基本を定義しています。
DNSサーバーのアドレスが表示されていても、そのサーバーへ到達できることや正しい応答が返ることまでは保証しません。IPとゲートウェイが使えるのに名前解決だけ失敗する場合に、DNSを優先します。
169.254.x.xは比較条件と一緒に読みます
IPv4の169.254.0.0/16はリンクローカルアドレス用です。RFC 3927では、リンクローカルアドレスの通信をローカルリンク内に限定し、通常の既定経路で外部へ送らないことが定められています。
一般家庭で正常端末がルーターから別のIPv4とゲートウェイを受け取り、問題端末だけ169.254.x.xなら、DHCPによる取得失敗が有力です。ただし専用機器や意図したリンクローカル構成もあるため、数字だけで故障とは断定しません。
順番に試したい対処法
わかった、ぼくも試してみる!どの順番でやればいい?
まず読む、次に比べる、変更は最後じゃ。手動設定をいきなり自動へ戻したり、公共DNSを書き込んだりせず、元の値と利用目的を記録するのじゃぞ。
1. 使用中の接続を特定する
Wi-Fi、有線LAN、テザリング、VPNから、実際に通信へ使っている接続を確認してください。Wi-FiならSSID、有線ならリンク状態、VPNなら接続中かを記録し、使用していないアダプターの値を混ぜないようにします。
有線の接続情報が空欄なら、IP設定より前にリンクランプ、ケーブル、ポートを確認します。物理接続が疑わしい場合はLANケーブルを挿してもつながらない場合へ進んでください。
2. 接続情報を変更せず記録する
IPアドレス、サブネットマスクまたはプレフィックス長、デフォルトゲートウェイ、DNS、DHCPが自動か手動かを記録してください。IPv4とIPv6は別々に残し、取得時刻とSSID・接続名を添えます。
WindowsではMicrosoftのipconfig公式資料のとおり、ipconfigでIPv4・IPv6、サブネット、デフォルトゲートウェイを、ipconfig /allで全アダプターの詳細を表示できます。コマンドは表示だけに使い、release、renew、flushdnsは比較前に実行しません。
3. 同じネットワークの正常端末と比較する
同じSSIDまたは同じルーターのLANへ接続した正常な端末で、同じ項目を同じ時間帯に確認してください。末尾まで同じIPである必要はありませんが、ネットワーク範囲、ゲートウェイ、DNS、自動・手動の違いを見ます。
ゲストWi-Fiと通常Wi-Fi、2台のルーター、VPNありとなしを混ぜないでください。比較条件が違う場合は、その違い自体を記録します。
4. IPとサブネットから取得段階を判断する
IPがない、問題端末だけリンクローカルIPv4、正常端末と異なる固定設定なら、接続またはDHCPを優先してください。DHCPはネットワーク方針に沿ってIPアドレスを割り当てる仕組みで、RFC 2131に自動・動的・手動割り当てが定義されています。
家庭でも固定IP予約やIoT機器の手動設定が使われることがあります。理由が分からない手動値は消さず、ルーター管理者、設置業者、機器メーカーへ確認します。
5. デフォルトゲートウェイまでの区間を見る
問題端末だけゲートウェイが空欄なら、DHCPまたは手動設定を確認してください。値はあるが管理画面や家庭内機器へも到達できず、正常端末は到達できるなら、その端末の接続、サブネット、VPN、ファイアウォールが候補です。
複数端末からゲートウェイより先へ出られない場合は、端末の数字を書き換えるより、ルーター・ONU・回線の状態を確認します。機器の境界が分からなければルーター・ONU・モデムの役割を参照してください。
6. DNSだけの問題かを判断する
IPとゲートウェイの構成が正常端末と同等で、複数のドメイン名だけ解決できない場合は、DNSサーバー、VPN、プロキシ、フィルターを確認してください。1サイトだけならDNS全体ではなく、サイト側の設定や障害も候補です。
DNSエラーが表示される場合はDNSサーバーが応答しない場合へ進みます。会社・学校・ペアレンタルフィルターでは指定DNSが必要なため、外部DNSへ変えて回避しないでください。
7. 許可された設定だけを戻して復旧確認する
個人の家庭内LANで、誤った手動設定を自分で追加したことが明確な場合は、元の記録を残し、ルーターやISPの公式案内どおり自動取得へ戻して比較してください。Macの設定名称はAppleのTCP/IP公式案内で確認でき、DHCP、自動、手入力など構成方法が分けられています。
変更後はIP、ゲートウェイ、DNSを再記録し、失敗していた通信、別の公式サイト、同じネットワークの別端末を確認します。Wi-Fiマークやアドレス取得だけでなく、実際の読み込みと送受信が完了することを確かめてください。
改善しない場合の判断基準
ここまで試しても直らなかったら、次はどうすればいい?
1台だけ値が違うなら端末メーカーまたは管理者、複数端末がIPを取れないならルーター管理者、複数端末がゲートウェイより先へ出られないなら回線事業者・プロバイダーが主な相談先じゃ。ルーター機能が複数あるなら、NATタイプと二重ルーターの確認も構成を読む手がかりになるぞ。
相談時は、端末・OS、接続名、発生時刻、IPv4・IPv6、サブネット、ゲートウェイ、DNS、自動・手動、正常端末との差、エラー全文、直前の変更を伝えてください。公開掲示板へ載せる場合は、グローバルIP、MACアドレス、端末名、ユーザー名、管理画面の認証情報を伏せます。
まとめ
はかせ、今日もひとつ分かったよ!忘れないように、大事なことをもう一度教えて!
IPは接続先を識別する番号、サブネットは同じ範囲、デフォルトゲートウェイは外部への次の中継先、DNSは名前から情報を探す仕組みじゃ。値を単独で正誤判定せず、使用中の接続と正常端末をそろえて比べるのじゃぞ。
IP取得、家庭内LAN、外部経路、名前解決の順に読めば、次の確認先が決まる。復旧後の値と時刻も残しておけば、再発時に「いつもの構成」とすぐ比較できるぞ。
